オリンピック計画・準備・運営の透明化を図ることは、民主主義の力
第11回東京地方自治研究集会のプレ企画「これでいいのか 2020東京オリンピック」が、 11月19日(土)、エディカス東京で、73人の参加で、開催されました。
冒頭、開会挨拶として、黒田自治研実行委員長から、「安倍首相のトランプ詣は朝貢外交そのもので、この後オバマ大統領と会談するとしているが、あまりにも失礼な行動である。
戦争法反対の取り組みは続いており、今日も国会前での行動がある。12月2日に明治大学の学生たちが講演会を企画している。東京オリンピックで言えば、私の学生が、賛成の立場で論文を書いていたが、調べるほど費用がかかることがわかり都民に取って有益でないとの結論になった。十分知られていない東京オリンピックについて知らせ、考えることが大切である。今日はいい機会です。考え合う場にしていきましょう。」
続いて、ウエルネス大学の佐伯年詩雄教授による「2020東京大会に求めるもの〜大会成功の基準を考える〜」と題した講演が行われました。
以下要旨をまとめます。
- 東京大会の開催準備をめぐる問題と混乱(新国立競技場建設、大会ロゴ、招致不正疑惑、大会開催経費の膨張など)→東京大会のビジョンは崩壊
- オリンピックの理念と現代オリンピック大会の問題→本来の理念やめざすものから、メダル争いや、国家間、都市間競争の場になっている。
- オリンピックの巨大化、ビジネス化の中でのレガシー戦略→オリンピック開催を都市(国・地域)の未来型投資とする考え方→平和・友好からビジネスと商業主義化
- アスリート・ファーストが、競技者最優先に。参加競技者のメリットより、社会のメリットが優先されることが大切。
- これらの現状の中で、都民はホスト。大会成功に向けたオリンピック理念の実現は都民にかかっている。「誰のための、誰による、誰のイベントか」を考え、オリンピックの計画・準備・運営の透明化・公開化・民主化を図っていくことこそ必要。
と力説されました。
会場から報告、発言続く
リオ五輪の取材記者からの報告、日本共産党都議団事務局から「東京都議会オリパラ推進特別委員会の動向」に続いて、フロア発言では、(1)障都連からオリンピックパラリンピックでは、すでに競技施設についてIPCのガイドラインに沿ってバリアフリー化が進められている。が、アスリートだけでなく、障害者がスポーツに触れる機会も改善してもらいたい。
(2)東京土建からは、建設労働者の人件費と資材等の高騰が上げられたが、設計労務単価は引き揚げられたが、ゼネコンが蓄え、末端で働く労働者が手にする賃金は上がっていない。公共工事の原則にたつことが、求められ、建設業界の発展につながるのでないか。
(3)自治体で起こっている実態について豊島区を例に「2020オリンピック」を枕詞に様々なことが、行われていること、東京都に職員を派遣している実態。
(4)臨海都民連からは、晴海選手村の利権構造の実態。(5)都教組から学校現場でのオリンピック教育とオリンピック教材等にかける費用問題、本来の授業を削減せざる得ないこと、ボランティア教育の押しつけなど様々な立場から報告、発言がありました。
和食オリパラ都民の会共同代表から、「様々な角度から問題が指摘される集会となった。これらの問題が都民の目に見えるものにしていくことが大切である。都民に知らせながら、議論を起こしていくことが重要である。」との閉会挨拶で終了しました。