5・10 東京自治労労連労安推進委員会主催
新「腰痛予防対策指針」学習会
5月10日(土)、都庁の都庁職大会議室にて、東京自治労連労安推進委員会主催の新「腰痛予防対策指針」学習会が開かれました。この学習会は昨年6月に厚生労働省が新しい「職場における腰痛予防対策指針」を示したことを受け、各職場で改めて腰痛予防対策を通じて職場の労働安全衛生活動を活性化させるきっかけにとの観点で開催されました。保育労働者を中心に42名の参加で腰痛予防対策と労安学習の必要性について、2時間ほどの学習を行いました。
今回の学習会には講師として、石川県の城北病院副院長で産業医、日本労働安全衛生コンサルタント会常任理事の服部真先生をお迎えして講演を行っていただきました。
講演の中身はもちろん、19年ぶりに改訂をされた腰痛予防対策指針のポイントについてです。とくに福祉・医療等の分野における介護・看護作業においては作業態様別の対策が大幅に改定された点。また、リスクアセスメントの考え方を基本とし、それを職場できちんと位置づけその手法に沿って具体的な検討・改善・対策(マネジメントシステム)をとることが前提となっているということが大きな特徴です。その他にも具体的な対象職種・適用範囲の拡大が示されたこと。発生要因についても、動作要因、環境要因、個人的要因に加え、心理的・社会的要因を加えたことなどいくつか挙げられますが、それらの重点項目について具体例を示しながらの説明でした。
しかし、指針の改定の特徴と実際の予防策などに触れつつも、全体的に重要視されたのは腰痛予防対策を含め労働安全衛生活動がどれだけ職場で行われているか、労安活動の取り組みの強化と、その教育の必要性についてということでした。
服部先生は、職場の安全配慮義務、健康管理責任は法律上事業者に責任があるものとしながらも、そこには、労働者の安全衛生活動の参加が不可欠である。つまり、事業者だけがやれば良いということではなく、事業者には責任はあるが、実質的に安全衛生活動が行われるかどうかは労働者にかかっているということ。すなわち労使で作る安全衛生委員会の活動が基本であるということを強調されました。業務と一体でどうすればもっと良い仕事ができるのかを日常的・継続的・創造的に取り組むべきことであり、それは腰痛予防対策においても当然当てはまると話されました。この点では、質疑の時間に発言があった給食調理の現場も同様で、介護、医療、保育、現業など、どの職場においても共通することでもあります。
また、会場発言では、都庁職衛生局支部と病院支部から、それぞれ共同で行った都立病院での腰痛調査の結果報告が行われました。そこでも、腰痛予防対策の教育については特に重視して行うべきであり、労組としても安全衛生委員会を通じてどのような取り組みが必要か詰めた議論を行っていく必要があると今後の課題について力強く述べていました。
今回の学習会を受けて、東京自治労連としても、専門職種ごとの教育、特に雇い入れ時の教育を重視して取り組むよう改めて当局に求めていくこと。また、リスクアセスメントについても、職場の労安委員会での議論が中々されていない現状、職場ごとにある自分たちの具体的リスクをどれだけ見つけ出し、労安委員会で対策を講じていかなければならないのか。今後の大きな課題にして一層の取り組みの強化を行っていくことを確認して学習会は終了しました。