新春座談会
「とうきょう自治体の仲間」新年号で、新春座談会を開きました。6月に開催する「おきプロNEXT」に向けて、青年実行委員会から4人が集まり「おきプロNEXT」への思いなどについて議論しました。
出席者
<左から> 山本 真(東京自治労連青年部長) 嶋野有希子(目黒区職労) |
「おきプロNEXT」とは?
2009年の「おきなわプロジェクト」から5年が立ち、今回、自治労連・自治労連共済結成25周年事業として「おきプロNEXT」という全国青年集会を2014年6月13日〜15日に沖縄で開催することになりました。多くの青年がフィールドワークを通じて、沖縄で学び、交流することを目的としています。
いざ「おきプロNEXT」へ 青年4人が活発に議論
松山 本日は新年座談会にご参加いただきありがとうございます。今回の座談会は、6月に開催される「おきプロNEXT」の成功に向けておおいに語り合うことをテーマにして、東京自治労連「おきプロNEXT」青年実行委員会から3人に集まっていただきました。それでは参加者のみなさん自己紹介をどうぞ。
山本 私は公共一般江東支部の書記長をしています山本です。東京自治労連青年部長をしています。仕事は学童保育の職員です。今日は職場でクリスマスパーティーがありました。司会の子どもたちが、お互いに話し合い、試行錯誤しながら取り組んでいました。その姿を見ていると「あ〜、本当にいいなあ」と、楽しさと仕事のやりがいを感じます。
嶋野 目黒区職労の嶋野です。保育園で保育士の仕事をしています。今、毎日がすごく楽しいです。私にとって保育士というのは、勤務中は天使と一緒に暮らし、通勤のときは恋人に会いに行くような、そんな仕事です。保育士をしていて一番嬉しかったことは、保護者の方に「先生に担当してもらって本当に良かった」って言われたことです。趣味はサーフィンとスノーボードです。ケガばかりしているので、そろそろ違う趣味を見つけようかと思っています。(笑)
恵本 多摩市職で今年から執行委員になりました恵本です。都市計画課で働いており、主に窓口で業者と対応し、建築の際に必要な条例や地区計画の制度の手続きを担当しています。大学時代に建築学科にいたこともあって、建築関係の業務に携わることが出来てすごく楽しいです。夏には組合の旅行で伊豆大島に行き、ダイビングのライセンスをとりました。それからいろんなところでダイビングをしています。音楽も好きで、小さなライブハウスから野外フェスまで行っています。
松山 本日、司会進行をします、豊島区職労で書記長をしている松山です。職場は環境課で、ゴミのポイ捨てや路上喫煙をなくす仕事をしています。最近テニススクールに通っています。学生時代は卓球、野球、ゴルフをやっていました。とにかくボールを追いかけることが好きです。(笑)さて、私は入庁14年目ですが、みなさんは今の職場でどれくらい働いていますか。
山本 僕は今の職場で5年、その前は障害児施設で4年など、ずっと子ども関係の仕事をしてきました。
嶋野 私は最初の1年は民間の保育園で働いて、それから今までの8年間は、今の公立保育園で働いています。
恵本 私は入庁3年目で、仕事は充実しています。「10年で3つの部署をまわってもらう」と言われていますが、今の部署に少しでも長く携わりたいです。
前回「おきプロ」思いをのせて全員で紙飛行機 |
「おきプロ」への感想や思いを
松山 さて「おきプロNEXT」の話にうつりたいと思いますが、前回2009年の「おきプロ」の感想や思いなどをお聞かせ下さい。
修学旅行みたいで楽しかった
嶋野 私は沖縄には何度も行っています。学生時代の修学旅行をはじめ、いろんな島に行きました。前回の「おきプロ」は目黒区職労も他の単組もそうですけれど、新人を中心にいろんな世代の方が参加して、修学旅行みたいで本当に楽しかったです。
松山 実際に行ってみて、沖縄のイメージはどのように変わりましたか。
現地の人の熱い思いを感じた
嶋野 「辺野古に基地をつくらないで」と訴えながら、ずっと座り込みをしている人たちを見たり、現地の人の話をうかがったりして、非常に熱い思いを感じました。そういう人たちがいるにも関わらず、基地を作ろうしていることに対し、怒りを感じました。
松山 修学旅行とはまた違う感覚があるということですね。他の方々はどうでしょうか。
見て、聞いて、肌で感じたい
恵本 よく普天間基地やオスプレイに関して、住民の方が抗議し続けているというニュースを見ます。ただ、私自身の実生活から考えると実感がわかないというのが正直な感想です。戦争反対ということだけとっても、私が言うのと沖縄の人が言うのとでは言葉の重みにかなり違いがあると思います。沖縄に行ったときに、戦争について現地の人がどう思っているかなどを目で見て、耳で聞いて、肌で感じたいです。
悲惨な戦争にいたたまれない
山本 僕は大学時代に平和学習サークルに入り、沖縄に行って沖縄の歴史について勉強をしました。沖縄戦では、米軍に追いつめられて、子どもを殺して自決した親もいたそうです。沖縄は琉球時代から貿易で栄えた国で、武力を使わずに暮らしてきました。そういう場所であの悲惨な戦争が起きたということは、本当にいたたまれないです。
戦争がいいか悪いかということに関して、いろいろ理屈をつけて話す人がいます。しかし、どんな理由をつけても「戦争は殺し合いをする当事者になるんだ」ということを考えると、戦争がいいなんて絶対に言えないと思います。
僕は子どもに直接戦争の話をすることはないのですが、けんかなどの争いが起きたときには「お互いに話し合いなさい」という姿勢を貫いています。なにか気に入らないことがあっても、話し合わなければ殴り合い、蹴り合いになってしまいます。このような指導は、子どもの生き方に影響が出ると思っています。
労働組合の役割が大切ですが
松山 ぜひ、多くの方に「おきプロNEXT」に参加してもらい、現地に行っていろんなことを学んできてほしいですね。戦争反対についてもですが、職場でもおかしいことはおかしいと訴えていかなければなりません。そこで、労働組合の役割が非常に大事になってくると思います。みなさんは日頃どう活動し、どのようなことを感じていますか。
組合加入を呼びかける先頭に
恵本 私が働いている多摩市には組合が2つあります。多摩市職は行事もたくさんあるし、組合加入の説明も丁寧だったので、私は自治労連の組合に魅力を感じ加入しました。多摩市ではここ数年、年間30人くらいの新人が入庁しています。新入職員に組合加入を呼びかける先頭に立つために、私は自分自身の意志で今期の組合の執行委員になりました。ただ、組合の仕組みがまだわかっていない中で執行委員をやっているので、しっかり勉強していかないといけないと思っています。
労働条件と子ども守ることに気づく
嶋野 私は組合活動の中で、人と交流できることが一番楽しいです。保育園という職場だけにいると、どうしても周りとの交わりが少なくなってしまいます。目黒区職労の役員の方に誘われて、新人歓迎会などいろいろな行事に参加し、実行委員をやらせてもらい、学習会などにも参加させてもらいました。そのことは、私自身にとってすごく役に立っていると感じています。
最初は、労働組合についてよく分からなかったのですが、区職労の定期大会でたたかいの成果の報告を聞いて、組合の大切さを実感しました。なにも言わないと、職場の労働条件はどんどん悪くなっていくし、私の仕事で言うと保育園もどんどん民間委託されてしまいます。労働条件を守ることと同時に子どもたちを守ることも労働組合はしているということに気づきました。
松山 労働組合がないと労働条件が悪くなる一方ですが、非正規職員の実態はどうなっていますか。
非常勤職員の待遇に憤り感じる
山本 いま、民間だけでなく公務の職場でも非正規職員、非常勤職員の増大が問題になっています。期間の定めのある非常勤職員は、そもそも来年の仕事が約束されていないということがリアルな実態です。労働組合に守られていないと、非常勤職員は雇用が確保されない状況になっています。
そもそもいまの法律では、非常勤職員は自由に雇い止めにされてしまう内容になっています。労働条件についても正規職員と非正規職員では違いがあります。たとえば江東区では、忌引き休暇の日数違ったり、防災に関して正規職員はヘルメットを支給され、非常勤職員には支給されなかったりします。「人としてどう扱われているのか」ということに憤りを感じます。労働組合で労働条件の改善を勝ち取ってきているので、今後も粘り強くたたかっていきたいです。
何を思って参加するか
松山 最後に「おきプロNEXT」に向けて、それぞれ何を思って参加するのかを一言お願いします。
他の自治体の方々と交流したい
恵本 組合から「沖縄に行く企画があるよ」と言われて、正直興味だけで実行委員会に入りました。今回の「おきプロNEXT」に参加して他の自治体の方々と交流したいですし、東京だけでなく全国から青年が集まるので「組合に入ってどうか」「組合の活動がどう職場に反映されているか」などについても、話が聞けたらと思います。
学び感じたこと発信したい
嶋野 4年前といまと情勢が変わっていると思います。観光するだけでなく、勉強をするという意識を持って「おきプロNEXT」に参加し、学び感じたことを周りに発信していきたいです。私は保育士の仕事をしているので、子どもから戦争に関する質問がでたときに、しっかり答えられるような人間になりたいです。
観光で終わりにしたくない
山本 今回の「おきプロNEXT」は観光で終わりにしたくないです。戦争や平和についていろいろ感じる人が一人でも増えることが大事だと思っています。
松山 6月の「おきプロNEXT」に向けて、青年実行委員会の活動が非常に重要になってきます。多くの方々に青年実行委員会に参加していただき、東京からより多くの青年を結集し、みんなで「おきプロNEXT」を成功させましょう。本日はありがとうございました。