2022年度 自治研活動取り組み方針(案)
2022年6月29日
東京自治労連中央執行委員会
1.求められる自治体の役割と自治研活動
(1)自治体と自治体労働者の役割
2年にわたる新型コロナウイルス感染症の影響で、自治体職場は、医療現場や保健所などをはじめ多くの職場で、長時間過密労働が続き、深刻な事態が生じました。同時に公務公共の重要性も明らかになり、自治体に求められる役割も鮮明になりました。
このような中で、求められる自治体の役割とは、なんでしょうか。
第一に、平等性・公平性を確保することです。住民は平等に自治体の施策を受ける権利があり、所得の違いなどによって制限・変化があってはなりません。
第二に、継続性・安定性の確保です。企業は利用者の利益より企業の利益を優先させますが、自治体は住民に対して継続的・安定的に施策を提供しなければなりません。
第三に、所得の再配分機能を発揮することです。自治体は税や社会保障などによって、住民の間にある所得格差を是正し、経済的平等を実現する役割があります。
これらの自治体の役割を具体化しているのが自治体労働者です。自治体労働者の権利宣言(案)では「自治体労働者は、地方自治体で働き、『住民全体の奉仕者』としての職務を通じて、住民の生活と権利を擁護するという責務を担う」と提起しています。この基本をあらためて確認することが必要です。
(2)自治研活動とは何か
あらためて自治研活動は何かを整理すると以下のようになります。
第一に、自治体労働者と住民の要求を疎外している原因とその打開の方向を明らかにする活動であり、自らの業務に基づく活動です。この取り組みが職場自治研活動として重要な点です。このことが職場の切実な要求に応える重要な職場活動となります。
第二に、自治体労働者の働きがいを取り戻す活動です。本来住民を守るべき制度が制度改悪によって、住民を苦しめる業務に携わらなければならないこともあります。職場でなぜ業務がそうなっているのかその原因を明らかにし、打開の方向を考え、それを住民と共有し、改善をめざす運動の方向性を明らかにしていくことが重要です。この取り組みが地域自治研活動であり、住民とともに自治体労働者の働きがいを取り戻す運動を進める基本となります。
2.具体的な取り組みについて
(1)東京自治労連の取り組み
1)東京自治労連の自治研推進委員会を定期開催し、情報交換と取り組みの交流を行います。
2)予算人員を充分に措置するため、予算人員要求闘争の現状把握と取り組みの共有をします。
3)東京都と区・市の予算分析や、保育の財政分析(パンフ作成予定)なども活用し、予算人員要求闘争に反映します。
4)自治体業務の標準化などDXの現状を把握し、必要な対処方針を明らかにして取り組みを進めます。
5)様々な行政課題等の学習など、随時情報提供を行います。
6)全国の「こんな地域と職場をつくりたい」運動や「職員のいのちと健康を守る」運動とも結んで、住民との共同の取り組みなどの情報を単組・局支部と共有し、取り組みに生かします。
(2)単組・局支部での取り組み
1)単組・局支部の執行委員会に自治研活動の担当者を置き、自治研推進方針を確立します。
2)職場の要求実現のために、職場懇談会などを行います。職場懇談会では、職場の課題解決に向け、業務のあり方や業務量、業務のすすめ方などを分析することが重要です。職場の問題点と要求を明確にすることができます。このことが、職場自治研活動です。
明確にした要求を、予算人員要求闘争に反映し、職場組織、単組・局支部とともに解決を図る取り組みに生かします。
3)次世代育成も視野に入れ、職場のベテラン組合員を講師やアドバイザーとして、組合役員のいる職場から、職場で起こっている問題や住民からのクレーム、仕事のすすめ方について、考え合い、改善をめざす取り組みや運動の方向性を検討します。
4)職場の要求や課題の実現のために、地域の労働団体や民主団体などとの懇談や共同の取り組みを検討します。その際、全国で実践された住民との共同した取り組みなどを参考にします。
(3)第14回東京地方自治研究集会の取り組み
2020年12月に開催を予定した第13回東京地方自治研究集会は、新型コロナウイルス感染症が広がる中、集会の開催を断念し、冊子を発行しました。改めて都民団体等と力を合わせ、都政の現状を明らかにし、民主的な都政への転換のため、第14回東京地方自治研究集会(2023年2月4日開催予定)を開催することとし、その成功に向けて、以下の取り組みを進めます。
1)単組・局支部等選出の自治研推進委員の協力で、集会成功に向け取り組みます。
2)自治研推進委員会では、単組・局支部の取り組みの交流を行い、随時、具体的な意思統一を行います。
3)全体の運営、基調報告の検討、分科会の運営など、東京自治労連の総力をあげて進めます。
(4)第16回地方自治研究全国集会の取り組み
2022年10月1・2日に開催される「第16回地方自治研究全国集会inハイブリッド東京」と連携し、全国の経験も学びながら、地方自治の発展をめざし、積極的に参加します。
以 上