2020年8月26日
東京都知事
小池百合子 様
東京自治体労働組合総連合
中央執行委員長 矢吹義則
新型コロナウイルス感染拡大に対応する緊急措置の要請
新型コロナウイルス感染が東京都では連日100人超え200人超えとなり、7月31日には400人を大きく超え最多を更新しました。
東京都医師会は30日、新型コロナウイルスの急激な感染拡大に対し、都内の医療機関1400カ所を目標にPCR検査を拡大すると発表し危機感を表明しています。
東京都や市区町村においては、病院や保健所はもちろん、新型コロナウイルス感染への対策に多数の職員が従事しています。一般の職員が新型コロナ感染拡大防止にかかわる業務支援に派遣されています。都民の安全・安心を守る役割を持つ自治体職員が、危険に身をさらしながら業務にいそしんでいるにもかかわらず、こうした職員に対するPCR検査は行われていません。
東京都や各市区町村当局には、こうした職員を新型コロナウイルス感染から守る責任があります。いち早くPCR検査の実施で職員の感染状況の確認を行い、無症状であっても陽性の場合に保護することが求められます。そのことによって感染を職員間に拡大させず防御することとなります。
新型コロナウイルス感染対応の初動で奮闘している保健所の機能は、感染症対応の保健師不足など深刻な状況にあります。さらに先頭に立って感染者を受け入れている都立病院・東京都保健医療公社病院でも医師・看護師不足です。こうした保健所や都立病院・東京都保健医療公社病院の機能の拡充が求められています。有事に対応できる日常からの余裕のある執行体制の確立こそが重要です。このことは今後さらなる感染症の危機に直面した際に、速やかな対応をとる保障となることは間違いありません。
こうしたことから、以下のとおり東京都に要請するとともに、市区町村で具体化するための援助を要請します。
<要請事項>
1.新型コロナ感染対応関連の業務に従事する東京に働くすべての自治体職員について、体制を早急に確立して定期的にPCR検査を実施すること。
2.保健師の増員と感染症対策を扱う保健所を拡充すること。
3.感染者の受け入れ・治療で重要な役割を発揮している都立病院、東京都保健医療公社病院の地方独立行政法人化を直ちに中止すること。
4.2020年3月31日に発表した「新たな病院運営改革ビジョン」を撤回し、2018年3月30日発表の「都立病院新改革実行プラン2018」の抜本的見直しを行うこと。
以上