「労働時間法制改悪阻止!取り戻そう8時間労働制度学習交流集会」を開催
過労死等の防止のための対策を推進し、健康で充実して働き続けられる社会の実現にむけて、東京春闘共闘会議は、5月21日(土)にラパスホールを会場に「労働時間法制改悪阻止!取り戻そう8時間労働制度学習交流集会」を開催し全都から60名が参加しました。
尾林弁護士の講演
2014年に過労死等防止基本法が成立した後も、公務・民間の職場にかかわらず、長時間労働やサービス残業が蔓延し、過労死・過労自死が増加しています。また、過労死を免れても精神疾患の発生と長期休職や退職が後を絶ちません。 記念講演では、八王子合同法律事務所の尾林芳匡弁護士が、「過労死から考える長時間労働の克服と労働運動の課題」と題して講演しました。
尾林弁護士は過労死裁判の実例を報告し、いざ争うときに残業の実態把握について、タイムカードや出勤簿などは隠されてしまうので、パソコンの操作ログや日記などで証拠を集めることが必要だそうです。また、労働紛争はシッカリした弁護士に依頼することが肝心ですが、そのような弁護士は残念ながら少ないそうです。
天井知らずの36協定やILO勧告を無視し、経済界の要求にそった国会議員が多い中で、「残業代ゼロ」法が狙われていますが、参議院選挙では、働くものの地位・権利が問われているなかでしっかり審判を下そうと呼びかけました。
鈴木委員長の報告
特別発言では、足立区職労の鈴木委員長が「疲弊する保育現場の職場改善第1歩!不払い残業の訴求清算」と題して、保育職場の慢性的な超過勤務の是正と不払い残業を根絶させたたたかいを報告しました。
足立区の公立保育園で働く保育士さんたちは毎日のように残業を強いられ、おまけにサービスになっているそうです。犯罪行為を野放しにする当局にたいして怒りが爆発した鈴木委員長と保育園分会は、超勤アンケートを実施したうえで、超勤時間の証拠をあつめて、総務部長に要請行動を行いました。
区長に相談したところ、区長は「これってブラックだねぇ…残業代を支払ってあげなさい」と、鶴のひと鳴きで遡及が実現したそうです。
組合が調査した未払い超勤額は6億円を超えていましたが、遡及額は2億5千万円と値切られていたそうですが、超勤の原因となっている人員不足や、退出時のタイムカード打刻など切実な要求が前進したと述べると会場から大きな拍手があがりました。