最低賃金をめぐる動き
政府は、アベノミクス効果が輸出大企業や富裕層に限られたものとの批判を受け、日本再興戦略の「多様な働き方の実現」に「持続的な経済成長に向けた最低賃金の引上げのための環境整備」として、中小企業とあわせて最低賃金の引上げを盛り込みました。また、田村厚生労働大臣は6月14日の記者会見で、最低賃金審議会に自ら参加し「政府全体で引き上げをお願いしていく」と表明し、経済界にも最低賃金引き上げを要請するとしています。厚生労働大臣が最低賃金審議会に参加し引き上げを求めるのは、2007年度と2010年度に続いて3回目です。最低賃金の大幅な引き上げが行われるかが焦点となります。
さらに、国連の社会権規約委員会が今年の5月17日に採択した「日本の第3回定期報告書に関する総括所見」において、日本の最低賃金の水準が生活保護給付や最低生活費などを満たすにいたらないことに懸念を表明し、改善を勧告しています。
一方、財界を中心とした使用者側の姿勢は賃金抑制を強めており、地方の審議会では生活保護基準の引き下げや国家公務員の賃金引き下げにも言及し「最低賃金も同様に」との主張もしているようです。
引き続き、最低賃金の大幅な引上げと地域格差是正、全国一律最低賃金制度の実現にむけて、署名や中央行動などの取り組みを進めましょう。