第8回自治体構造改革に反対する闘いの交流集会
6月8日(土)、東京労働会館ラパスホールで開催された「第8回自治体構造改革に反対する闘いの交流集会」には、午前63名、午後の分科会には64名の参加者で成功することが出来ました。
冒頭本集会の運営委員長であり、東京自治労連の荻原淳中央執行委員長からこの集会の意義と各単組から選出された運営委員を中心に準備を進めてきたことが話されました。
記念講演は、「自治体構造改革の動向と地方自治のあるべき姿、働きがいのある職場を考える」と題して神奈川自治体問題研究所の角田英昭氏から講演がされ、続く特別報告では、@文京区職労から「現業職種の新規採用を勝ち取った経験」A東京公務公共一般労働組合から「委託職場の実態と運動の経験から公務公共サービスのあり方を考える」B保育部会から「公立保育園を守り、認可保育園の建設による待機児童解消、豊かな保育の発展をめざして」の報告の後、高柳政策社会保障部長から「自治体構造改革と私たちの取り組み」が話されました。
午後は、第1分科会「様々な手法による公共サービスの民営化とのたたかい」、第2分科会「自治体構造改革の各分野での動向とたたかい」、第3分科会「自治研活動の強化と住民との共同をめざして」と3つの分科会で活発な議論が行われました。
「公務」であることの意味
記念講演では、安倍新政権が誕生して半年が経過し、自治体構造改革の要である地方分権改革、自治体の市場化・民営化路線がどのようになっていくのか捉える必要があり、改憲、道州制、更なる規制緩和、民間化を軸にした「この国」の新たな統治機構づくりが進められようとしている中、地方分権、地域主権改革の動きを直視することの必要性。自治体の市場化・民営化の中で、公務の職場の破綻事例、そこで働く現場の労働者の実態がどのようにおかれているかを詳しく話されました。
「対話と提言」に基づき、地域住民との対話を広げ、自治体構造改革と対峙!
一昨年の3.11東日本大震災で、自治体労働者が地域住民のなかで果たす役割が再認識されたにもかかわらず、自治体構造改革がさらにすすめられていること、それが憲法改悪の策動と一緒に進められようとしている危険性について強調されました。憲法を尊重し擁護する義務がある自治体労働者が先頭にたって、憲法改悪を阻止する運動を旺盛に進め、自治体構造改革路線からの転換を図る必要があります。
また、自治労連は2009年から「対話と提言」の運動を提起していますが、職場から地域に出て地域住民との対話を広げ、住民要求にもとづく提言活動を展開し、具体的な運動を進めていくことが重要であり、労働組合の要求実現の闘争と併せて自治研活動を進めることが、自治体構造改革への反撃となることを話されました。
各分科会では、保育園の民営化問題、児童館・学童保育分野における委託の実態、民間委託と闘っている職場の実態が交流されました。
いま、社会問題となっている待機児童の解消は、民間委託により単に保育室を増やせば良いのではなく、認可保育所を自治体につくらせることが重要であり、株式会社の参入を阻止するための対抗軸はまさに「保育の質」であること、住民との共同の闘いが要であることが語られました。
構造改革との闘いは新たな段階にきており、入札制度による落札価格のダウンが労働者に影響を及ぼし、さらには公務公共サービスの質の低下を招くことになることから、公契約条例の制定の必要性が分科会でも話されました。
自治体労働者が構造改革路線に反対する世論を広げ、都政・国政の転換を図りましょう!
まとめでは、今集会で学習した内容と、各単組・支部より持ち寄られた闘いの経験を、今後の取り組みに活かして実践していくこと、また、私たち自治体労働者が構造改革路線に反対する世論をさらに広げ、都政・国政の転換を図るために都議会議員選挙・参議院選挙で奮闘することを確認し、閉会としました。