第12回東京地方自治研究集会 800人集う
―東京から日本を変える。東京都政を都民の手に取り戻しましょう!―
12月9日、第12回東京地方自治研究集会が明治大学リバテイータワーで「憲法を守り、いかし地方自治がいきるまち東京を」をメインスローガンに開催され、午前、午後併せて、延べ800人が参加しました。
冒頭、本集会の実行委員長である、明治大学経営学部教授の黒田兼一教授の挨拶に続き、基調報告、そして、岡田知弘京都大学大学院教授による「地方自治・地域再生をめぐる対抗軸と展望−東京都政を住民の手に−」と題した記念講演が行われました。
以下、記念講演の主旨を掲載します。
安倍政権の地方制度改革は、自治体行政やサービスの内実の市場化を追求
安倍政権の地方制度改革は、「戦争ができる国」づくりを前提とする道州制の導入と地方創生、「自治体戦略2040構想」を発表しました。
この議論の前提は、増田レポートの「人口減少」「地方消滅」論です。そのため、AIなどの活用で従来の半分の職員で運営できる自治体。また、自治体の性格を変え、圏域マネージメントと都道府県と市町村の二層制の柔軟化、東京圏のプラットフォーム化などを提言しています。このことは、2015年以来の公共サービスの産業化政策と、医療・福祉の民間化政策を統合し、最終的に道州制に向かう制度改革だけでなく、自治体行政の市場化が追求されています。
基本的人権と福祉の向上をめざす地方自治こそ対抗軸
憲法に基づく国民主権と住民自治をもとに、地域循環型の経済、全体の奉仕者としての正規公務員による行政運営、住民の意思が反映する自治体運営を再構築することこそが対抗軸である。ことを力説されました。
いま、求められるのは、国民・住民の消費購買力を拡大し、生活向上に直結させること
改めて、憲法を暮らしの中に生かし、国や自治体を、大企業のものではなく、主権者である国民、住民に取り戻すこと。いま、必要なのは、少数の大企業本位でなく、99%の主権者が、参加できる社会に転換すること。正当な報酬をもらい、若者が、結婚できるまともな社会をつくる。それが、生活向上に直結させることである。足元の地域を知り、学習・調査・研究・政策活動が必要不可欠であり、そのためには、「自治研活動」が重要である。と力説されました。
午後は、1.「地域医療構想と公的医療の役割」2.「我が事丸ごと共生社会のねらいと課題」3.「セーフティーネットのあるべき姿」4.「保育」5.「中小企業・公契約・雇用・最賃」6.「いつまでも住み続けられる私たちのまち」7.「どうなる!憲法の行方―平和憲法をいかす自治体の役割」8.「子どもたちの生活と発達を保障するために、学童保育・小学校の連携など最善の居場所つくりを」講座「公共サービスの産業化と自治体のあり方」に分かれ、あるべき都政について、活発な意見交換がされました。