第11回東京地方自治研究集会1015人集う
渡辺治一橋大学名誉教授の記念講演に政治を変える確信をつかむ
東京から平和と暮らしを守る政治をつくろう!!
12月11日、第11回東京地方自治研究集会が明治大学で開催されました。
隔年で開催される東京地方自治研究集会ですが、事務局を担っている東京自治労連をはじめ、都内で運動をしている59団体が1年余の期間をかけて準備をしてきたものです。
午前は、黒田実行委員長(明治大学経営学部教授)の挨拶で始まり、記念講演は渡辺治一橋大学名誉教授の「安倍改憲政権の新段階と対抗する運動の課題・日本と東京をめぐる2つの道」と題した記念講演ありました。1時間20分にわたる熱のこもった話に516名が耳を傾けました。その概要を報告します。
「はじめに、参院選では、2つの顔があった。一つの顔は、改憲勢力が衆参両院で3分の2の多数を占めたこと。」
その中で、自民党が今回の選挙で、35.91%の票を獲得した。その背景には、アベノミクスで疲弊した地方に、公共投資とゼネコンなどを使い組織戦が成功したことなどにある。その結果、改憲勢力が衆参両院で3分の2を占めたので改憲が実現するとの論評もあるが、公明党や維新の党と自民党は簡単に一致しない。民進党が安倍改憲反対との態度にもなっている。自民党は民進党を改憲の誘いをしなければ改憲できない。
改憲反対が世論の多数で、私たちの運動を強めれば改憲はできない。
参院選、二つ目の顔は、戦後初の共闘が成立し、11選挙区で勝利したこと。勝利の要因の一つは、東北6県で行われたような運動のできたこと。それは、『東北6県市町村長九条の会が統一に精力的な調整』などにより野党共闘ができて、青森などで勝利したことにみられる運動があった。この教訓を全国で生かし、『市町村長九条の会』ができれば、今後の勝利の展望ができる。
東京では、都知事選挙があった。鳥越都知事候補擁立の野党共闘は必要であった。
しかし、共闘の力は発揮できなかった。鳥越得票20.58%、2016年参院選挙の野党の合計は39.98%であった。野党合計票の半分しか鳥越都知事候補投票につながらなかった。
都知事を取るためには、都民に魅力ある「平和と福祉」の政策を打ち出さなくてはならない。東京都の規模は、スエーデンの国家予算と同じくらいで、一つの国家並み。
都知事を取るには、「平和と福祉」の政策が重要であり、特に東京での共闘がしっかりできる態勢が求められている。
運動組織の強化は東京で「平和とくらしを守る」都知事を誕生させること
東京の運動は、全国規模の集会を組織することに大きな貢献をしているが、もう一つの仕事は、東京で「平和とくらしを守る」都知事を誕生させることなど東京の課題を達成する仕事がある。
この課題を実現するには、東京の各地域での共闘の運動組織の強化である。各地域で共闘組織があるところは、運動を更に広くしていくこと。共闘組織がないところは、組織をつくり拡げていくことである。
私たち一人ひとりが政治を動かす主人公になりましょう!
参院選は、戦争法反対の共同が、安倍改憲を阻み安倍政治を変える力ということ証明した。共同を豊かにし、強くする課題を示した受け皿を大きくすること。都民にとっておいしい「平和と福祉」という料理のメニューを出すこと。
共同をめぐってはジグザグがあるが、私たち一人ひとりが観客になってはならない。政治を動かす主人公にならなくてはならない。
これからは、大都市圏、東京の出番だ。東京を変え、日本を変える運動を起こそう。
寄せられたアンケートには、「熱のこもった訴えに多くの参加者は元気が出た。」「東京の運動を強めよう」感想などが寄せられました。
続く、基調報告は、集会事務局長の東京自治労連喜入書記長から、「公的サービスの産業化」の動向と小池都政の現段階、今後の運動の方向性について報告がありました。
10の分科会で500人余が活発な議論を交わす
―私たちの東京のためにすべきことを問う―
午後は、「中小企業・地域経済」、「いつまでも住み続けられる私たちのまち東京」、「本当に怖い自民党改憲草案」、「人間らしい暮らしを求めて」、「高齢者・障がい者が住み続けられるまちづくり」、「東京の医療、介護・福祉」、「保育・子育て」、「放課後のあり方を考える」、「大切にしたい子どもたちの教育」、「自治体民営化の現状と課題」と題した10の分科会が開催され、あるべき都政の姿に向け、活発な意見交換が交わされました。