2020年都知事選挙結果について
2020年7月8日
東京自治労連中央執行委員会
2020年6月18日告示、7月5日投票で都知事選挙がたたかわれました。新型コロナウイルス感染拡大防止が求められる中で、従来の都知事選挙とは違った大きな集会や大街宣行動などの制約を余儀なくされた選挙となりました。東京自治労連が推薦した宇都宮けんじさんは当選には至らなかったものの、都民の大きな支持を得て大健闘といえます。宇都宮けんじさんの奮闘に敬意を表するとともに、組合員のみなさんの奮闘に感謝を申し上げます。
今回の都知事選挙では市民と野党の共闘を追求し、早い段階での野党共闘の話し合いがすすめられました。同時に浜矩子氏・五十嵐仁氏・永山利和氏の3人を代表とした「市民と野党の転換で都政の転換をめざす呼びかけ人会議」(以下、呼びかけ人会議)が2月6日に発足し、東京自治労連も構成団体である革新都政の会は事務局として奮闘しました。呼びかけ人会議は広く呼びかけ人・賛同人を募るとともに、3月18日には立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社民党、東京生活者ネットワークの各党への申し入れを行いました。こうした働きかけの中で6月3日の呼びかけ人会議では、5月27日に立候補を決意した宇都宮けんじさんを市民と野党の共闘の候補としてたたかう決意を各党が述べました。選挙戦では申し入れした各党ばかりではなく野田佳彦元総理も弁士に立つなど、東京における野党共闘が大きく発展しました。今後、都政や国政を市民と野党の共闘で転換する重要な礎を築きました。
東京自治労連は候補者が確定しない段階の5月20日の中央執行委員会で、「2020年都知事選挙闘争基本方針」を決定し、たたかう体制を確立しました。
小池都政の4年間は、築地市場問題や情報公開、待機児童ゼロなどの約束の反故、住民犠牲の羽田空路の拡張、大型公共事業推進、国家戦略特区や新技術の財界戦略の推進、都立・公社病院の地方独立行政法人化推進など、都民の要求には背を向け、財界と安倍政権の政策を積極的に推進するものでした。
東京自治労連と各単組・局支部はこうした小池都政から、憲法にもとづき住民生活を支え貧困と格差のない、自治体労働者が働きがいのある都政への転換を求めてたたかいました。
革新都政の会の6月8日の決定を受け、東京自治労連は6月10日に宇都宮けんじさんを推薦決定し、6月13日の拡大中央執行委員会で確認しました。
宇都宮けんじさんは「緊急の3課題」として、新型コロナウイルス感染症に対する東京都の対応の基本に「自粛と一体の補償」を掲げ、都立・公社病院の独立行政法人化中止と拡充、カジノ誘致中止を掲げ、「重視する8課題」として都民の切実な要求といのち暮らしを守る都政の基本を示しました。これらは東京自治労連と各単組・局支部の掲げる都政要求とも合致するもので、私たちは勝利に向けてたたかう決意を固めました。
新型コロナウイルス感染拡大の中での都知事選挙を通じて、自治体の公的役割の重要性が明らかになるとともに、感染者受入で重要な役割を担っている都立・公社病院の地方独立行政法人化を許すのか、感染症対策を担う保健所の機能を拡充するのかが一大争点となりました。こうした私たちの要求を選挙戦で都民の中に広げることができました。私たちが宇都宮けんじさんを推薦してたたかったことは、要求実現に向けた大きな一歩を踏み出すこととなりました。
選挙戦を通じて「構造改革」路線からの転換が、これからの都政にとって不可欠であることがより明確となりました。東京自治労連は、都政の民主的転換のために、共同を大きく広げ、組合員と都民の生活と権利をまもるため、全力で奮闘する決意を表明するものです。
以上