2016年東京都知事選挙の結果を受けて
2016年8月1日
東京自治体労働組合総連合
書記長 喜入 肇
7月31日、都知事選挙の投開票が行われました。私たちが推薦し、支援してきた鳥越俊太郎氏は大善戦・大健闘しましたが及びませんでした。当選は小池百合子氏となりました。
今回の都知事選挙は舛添前知事の「政治とカネ」疑惑による辞任の結果4年間で3度目となる都知事選挙でした。争点として、「政治とカネ」の疑惑のない都政、都民の税金を都民のために使う都政、大型開発依存から都民生活重視に予算の使い方を切りかえること、憲法を守りいかす都政を実現できるかどうかが問われた都知事選挙でした。
4野党統一候補としての立候補を決意した鳥越俊太郎氏は、納税者意識を受け止めた都政運営、公共事業偏重を止め都民のくらしを優先する、国政の憲法「改正」の流れに歯止めをかける、3つの基本的立場を明らかにしました。当初の「住んでよし、働いてよし、環境によしの東京」実現から、都民の声を聞く中で「学んでよし」を加えた「4つのよし」を訴え、具体的政策も選挙戦をたたかいながら次々と進化・発展させました。とりわけ、待機児・待機高齢者・原発の「3つのゼロ」、憲法9条を守り非核都市宣言を行うという政策は、都民の大きな共感を得てきました。
こうした中で、小池氏は偽りの反自民ポーズを取り、マスコミもこれを応援し、支配勢力上げての鳥越氏に対するネガティブキャンペーンを展開しました。しかし鳥越氏の政策や都民の声や要求を無視できず、東京五輪の費用負担の検討、豊洲移転は「いったん立ち止まる」「検証する」、待機児童解消や介護問題などをすすめるなどと言わざるを得なくなりました。
東京自治労連は舛添氏の辞任を受け、ただちに書記長コメントを発表し、「東京都知事選挙基本方針」を決定し、組合員向けパンフレットの作成など、候補者擁立以前から取り組みを具体化しました。各単組と都知事選挙拡大闘争本部で意思統一を行い、決起集会・全国支援行動をいち早く取り組みました。7月12日の鳥越俊太郎氏の出馬表明直後、同日の全国支援行動で奮闘する全国の仲間に都民から大きな期待と声援が寄せられました。
各単組に推薦、支援行動への参加を呼びかけ、圧倒的多数の単組・局支部で推薦が決定され、「民主都政を実現する全都自治体労働者の会」の計画したメガホン宣伝等への参加が広がりました。とりわけ東京自治労連・全国支援行動は12日、27日、30日の3度にわたって行われ、どの行動も道行く都民の目を引く大きな行動となりました。
今後、自民党改憲草案にもとづく改憲論と核武装検討を述べるなど、危険な政治姿勢と思想を持っている小池氏に対しては最大限の警戒が必要であり、安倍暴走政権と都政の連携を許さないたたかいが急務となってきます。あわせて選挙中に掲げざるを得なかった公約を都民本位にしっかりと実行させる世論と運動を広げることが重要です。
今回の都知事選挙では東京における野党共闘が初めて実現し、選挙戦をたたかう中で確立されてきた都民本位の政策が、野党間で基本的に合意されてきたことは、今後の都民運動と都議会でのたたかいに大きな展望を切り開くものとなりました。また134万余票の支持を結集したことは、野党共闘と合意された政策への都民の期待の高さを示したもので、今後の安倍暴走政権、それに追随する都政を東京からストップさせる大きな条件が形成されていることを示したものです。
東京自治労連は都知事選挙の結果を真摯に受け止めるとともに、新たな運動の前進、政治的な流れをさらに発展させ、組合員の生活と権利を守り、職場から自らの仕事を見直し、都政を都民の手に取り戻すために全力で奮闘することを決意するものです。
以上