小池都知事の公約違反に強く抗議し、「築地まちづくり方針(素案)」の撤回を求めます(書記長コメント)
2019年1月25日
東京自治労連書記長 喜入 肇
2019年1月23日、東京都の小池知事は、築地市場の跡地利用についての「築地まちづくり方針(素案)」(以下、「築地方針(素案)」)を公表し、2月21日までパブリックコメントを求めるとしました。
「築地方針(素案)」では、築地地区の将来像として「創造MICE」機能を持つ国際的な交流拠点を想定し、東京の成長に大きく寄与する交流拠点、新たな時代の東京ブランドの創造・発信、東京全体の活力・競争力の向上、日本全体の成長の源泉とするとしています。
そのための方針の第一は交通関係インフラをはじめとした都市基盤整備を進めることです。第二は「おもてなしゾーン」など4つのゾーンを形成し、「創造MICE」機能を持った国際的な交流拠点をつくって国際競争力を高めることです。第三は文化の創造拠点を象徴するすぐれたデザイン・景観を形成することです。第四により高度で持続可能な都市を実現することとしています。
小池都知事が2017年6月の都議会議員選挙直前に示した「基本方針」で、「築地は守る」と宣言し、新たな築地の姿として、「仲卸の目ききを活かしたセリ・市場内取引を確保・発展」させ、「市場としての機能を確保する」「新たな市場として、東京を牽引する一大拠点とする」としました。さらに築地のブランドをいかして「食のテーマパーク」として再開発するとも述べてきました。
しかし公表された「築地方針(素案)」にはこれらの内容はまったく記載されていません。小池知事は23日に「食のテーマパークを超え、文化や伝統を含めた形を築地で展開する」と説明し、「食のテーマパーク」を超えるとしたことで、公約違反については知らぬ顔を貫きました。
小池都知事が都議会議員選挙直前に発表した「築地を守る」という基本方針は、当時小池知事が代表を勤めた「都民ファースト」の公約であることは明白です。このことは市場の業者はもちろん、築地に市場機能が残ると期待した多くの都民を裏切る明白な公約違反です。
さらに、国際的な交流拠点である「創造MICE」施設の整備と運営には莫大な費用がかかり、都民の税金が大量に投入されることとなります。
すでに小池知事は有害物質で汚染された豊洲市場の無害化、都民の食の安全・安心を守るという公約も破っており、相次ぐ公約違反であり、絶対に認められません。
小池都政は、国の東京圏メガロポリス構想、都の環状メガロポリス構想や国際金融都市・東京の実現をめざしており、「築地方針(素案)」もこの一環です。
都民生活を優先し、都民の福祉と暮らしを守る都政とはまったく逆の方向です。小池都知事は公約違反に対する責任を明確にし、「築地方針(素案)」を撤回し、都民生活を優先する行政政策を進めるべきです。
東京自治労連は、小池都知事の公約違反に強く抗議するとともに、都民犠牲の小池都政の施策に反対し、広範な都民とともに都政民主化に向けて奮闘する決意を表明するものです。
以上