2014年東京都知事選挙についての書記長コメント
2014年2月10日
東京自治労連書記長 森田稔
徳洲会からの5000万円の裏献金を巡り辞任した猪瀬前知事の後任を決める都知事選挙が1月23日告示、昨日2月9日投開票の日程で行なわれました。
結果は、政党本部としての推薦はなかったものの、自民党都連と公明党都本部が推薦し、安倍首相、山口那津男公明党代表が終盤に街頭演説で支援するなど、自公両党が総力を挙げた舛添要一氏が当選しました。
政党としては日本共産党、社民党などが推薦し、革新都政の会、東京自治労連を始めとした労働組合も推薦決定した日本弁護士連合会前会長の宇都宮健児さんは残念ながら、当選には至りませんでした。
東京自治労連は猪瀬辞任が受理された翌日の昨年12月25日、ただちに中央執行委員会を開催し、「基本方針」「具体的方針」を決定し、取り組みを開始しました。本年1月10日には都政政策パンフを発行しました。
1月8日には中央執行委員会で宇都宮推薦を決定し、10日に開催した拡大闘争本部で各単組・支部、各級機関における推薦決定と取り組みの推進を要請するとともに、産別組織の違いを越えて、全都の自治体労働組合としての取り組みをすすめるため、「全都自治体労働者の会」を発足させました。
この間、連日の常駐者会議、闘争本部会議、拡大闘争本部会議を軸にしながら、きわめて短期間ではありましたが、全力を挙げて宇都宮勝利に向けて取り組んできました。
数少なかったテレビ討論会を観た方は、巧みな言い回しで争点をぼかそうとする舛添氏、都政について見識のない細川氏などと異なり、都政のすべての分野で都民に優しい政策を打ち出す宇都宮さんに共感を覚えた方が多かったのではないでしょうか。
本日のインターFM「バラカン・モーニング」では、「自分の周辺の投票動向と今回の結果の乖離に驚いている」、という主旨の投稿が紹介されていました。
街頭で宣伝を行なっているのは、ほとんど宇都宮候補だけと言っても過言ではありませんでした。東京新聞などでは舛添氏は「組織戦を展開」と書いています。それが自民党主導による業界団体の締め付けと国会・地方議員を総動員した「組織戦」なら、都民の意思とは異なります。
舛添氏は当選後、「世界一の東京にする」と語っています。今の情勢にあわない時代錯誤の言辞です。原発問題でも、安倍政権の命を受けて「再稼働賛成」なのに、「原発に依存しない社会をつくる」と述べ、「脱原発」派の票も手繰り寄せてしまいました。
本人も認める「泡沫」のはずが予想以上の票を集めた田母神氏、積雪による投票率低下の影響、市民主導による新しいかたちの選挙戦の今後の展開など、分析にはまだまだ時間を要しますが、都政を民主化する闘いは終わったわけではありません。
宇都宮さんは選挙戦最終日の8日夜、新宿駅西口で雪と強風の中、「今回の都知事選は、歴史を大きく転換する選挙です。」「多くの市民が大きな力を発揮しました。」と述べています。
社会学者の上野千鶴子氏は最近の著作の中で「微力な者たちの闘い」について触れ、社会を変えるために立ち向かうことの重要性を、特に若者たちに訴えています。
私たち東京自治労連は、都政や国政の革新のために今後とも全力を挙げ、生きやすく暮らしやすい世の中を創るために奮闘することを表明します。