子ども・子育て支援新制度と都区財調、市町村交付金への影響について
(コメント)
2013年12月4日
東京自治労連書記長 森田稔
子ども・子育て支援新制度が国会で成立し、保育所以外には直接契約が導入され、保護者に給付されることとなったが、保育所については児童福祉法24条により区市町村が保育の実施義務を負うこととなった。
私立保育所にはこれまでどおりの委託費が支出されるが、公立保育所に対しては、地方交付税による一般財源化という仕組み自体は変わっていない。
保育料を決める公定価格は、年末までに子ども・子育て会議で確認され、2014年3月までに政省令で定められるスケジュールとなっている。
東京の保育制度は、美濃部革新都政時代に全国トップの水準の都基準と私立保育園への公私格差是正制度として制度化された。2006年に都基準が廃止されたが、旧都加算の13項目が都区財政調整制度によって、市町村は子育て推進交付金として算定され、水準を維持してきた。その運営費の水準は国基準の約2 倍である。公私格差是正制度も改悪されたがサービス推進費として存続している。
東京都は11月21日の都議会厚生委員会における日本共産党大山議員の質問に対して、「子ども・子育て支援新制度における給付の水準や内容については、現在、国の子ども・子育て会議で議論されており、都の施策についてはこの結果を踏まえて検討する必要ある。都が必要に応じて区市町村に対する独自支援を行うことは、制度的に可能」と答弁している。
これまでの保育所運営費が性格を変えるのか、その場合の影響を究明するとともに、現行水準の都区財政調整制度と子育て推進交付金の現行水準の維持をめざして、当面は東京都に対する取り組みを強めていく。