石原都知事の度重なる暴言に抗議し、都政の転換と
被災者支援に全力を挙げることを表明する(談話)
2011年3月16日
東京自治労連 書記長
森田 稔
3月11日に発生した東日本大震災の甚大な被害が次第に判明し、犠牲者が万を超える未曾有の事態になったことに、心から哀悼の意を表する。
多くの罹災者が家族を失い、家も職も地域社会をも失って塗炭の苦しみに嗚咽の声をあげている。ところが驚くべきことに、石原都知事は14日の記者会見でこの震災を日本に対する「天罰」と発言した。
発言内容は、「我欲だよ。物欲、金銭欲、性欲。我欲で縛られた政治もポピュリズムでやっている。それを一気に押し流す。津波をうまく利用して、我欲をやっぱり一回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う」というものである。
被災者への配慮に欠けると記者から指摘を受けた際も、発言の撤回や謝罪を拒み、天罰発言の際に「『被災された人は非常に耳障りな言葉に聞こえるかもしれないが』と言葉を添えた」と弁明したが、実際には添えられたとされる言葉はなかったという。
都庁に都民からの抗議が殺到したこともあり、15日午後になって、石原氏は記者会見で発言を撤回し、謝罪した。
石原氏はこれまでも、「ああいう人ってのは人格があるのかね」との重度障害者施設の視察後の発言や、「女性が生殖能力を失っても生きているのは無駄で罪」との女性蔑視の発言、さらには「テレビなんかにも同性愛者が平気で出てるでしょ。日本は野放図になりすぎている」との同性愛者への蔑視発言、「フリーター・ニートとか、私に言わせりゃ穀つぶし」との貧困問題への無理解発言等々、さまざまな問題発言を行っている。
また、憲法を敵視し「私は場合によったら(順守)しません」と述べ、「命がけで憲法を破るんだ。当たり前のことじゃないか」と、憲法尊重擁護義務(憲法第99条)すら無視するなど、政治家としての基本的資質が欠落していると言わざるを得ない。
本来ならば、東京都が率先して支援に取り組み、緊急財政出動や労務の提供を国や、財界に求めるなど、積極的な役割を果たすべきである。
撤回したとは言え、改めて政治家としての資質がないことを露呈した今回の「天罰」発言について、石原氏に抗議するものである。
私たち東京自治労連は、4月10日に予定されている都知事選挙で、石原都政やその流れを汲む都政の継続を許さず、革新都政をつくる会の政策を実現するために奮闘する。同時に、自治労連とともに、東日本大震災の被災者の救援・支援において、自治体・公務公共関係の労働組合として全力を尽くす決意であることを表明する。
以上