戦争法廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回、安倍政権打倒のための
「戦争法の廃止を求める統一署名」2000万筆達成に向けた取り組み
2015年11月25日
東京自治労連中央執行委員会
1.大きな世論で安倍政権を包囲した戦争法阻止の闘い
海外で日本が戦争できるようにするための「安全保障関連法」(以下、戦争法)に反対する闘いは、戦争法に反対の広範な勢力が結集した「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」(以下、総がかり行動実行委員会)として、国民全体での大きな運動となりました。思想信条・上部団体の違いを超え、初めて参加する多くの個人を含めて壮大な規模の闘いとなりました。
この闘いには労働者はもちろんのこと、多くの市民団体、日弁連、憲法学者をはじめとした知識人、「シールズ」などの学生、「ママの会」など、国民各層が立ち上がりました。各地域でもこれまでにない共同が拡大し、すべての野党が地域段階でも共闘する取り組みも生まれました。
各単組は職場地域で奮闘し、これまでにない組合員・職員が運動に参加し、国会前の集会では参加した仲間の把握さえ難しいほどの新たな参加も生まれました。地域での宣伝・署名行動では地域住民からの多くの励まし、差し入れなど、宣伝・署名行動に賛同の声が大きく寄せられました。8割の国民が慎重審議を求め、6割の国民が戦争法そのものに反対していることが、行動の中でひしひしと伝わる状況が各地で作られました。9月19日の強行裁決後も世論は変わらず、安倍政権打倒に向けた野党の共同を求める声に大きく発展しています。
2.日本を海外で戦争する国にする戦争法と立憲主義・民主主義を踏みにじる安倍自公政権
戦争法はそもそも憲法9条に明確に違反する法律です。そのことは圧倒的多数の憲法学者、歴代法制局長官、元最高裁判所長官による憲法違反との明確な批判が次々と出されていることからも明らかです。
安倍政権は来年5月に部隊の後退する南スーダンにおけるPKO活動で「駆けつけ警護」を追加するなど、戦争法の発動を進めようとしており、同時に沖縄・辺野古への新基地建設の強行、横田へのオスプレイ配備なども強行しようとしています。日本が海外で殺し殺される戦争に参加する具体的行為がすすめられようとしています。このことは直接業務に従事する自衛隊員が戦闘行為で死傷するという危険に直面するとともに、日本の戦闘行為に対して報復しようとする勢力に日本の国土と国民が標的にされるという危険にさらされるということを意味します。場合によっては日本におけるテロの脅威に直面することにもなりかねません。このような戦争法は直ちに廃止する以外ありません。
そもそも時の権力者の行動を縛る憲法を否定・蹂躙し、解釈で憲法を変え、国民多数の意思を無視し、違憲立法を強行することは、日本の民主主義を根底から覆すものです。立憲主義・民主主義を危機に陥れる安倍政権を許してはなりません。
3.立憲主義・民主主義否定は地方自治と相容れない
私たちが日夜従事している自治体の仕事は、憲法という土台の上に民主主義という普遍の原理にもとづいて運営されており、私たちは憲法尊重擁護義務を負って住民のために仕事を行っています。憲法を否定し、立憲主義・民主主義を否定する安倍政権はそもそも地方自治の理念とはまったく相容れないものです。
また住民のいのちと安全を守り、憲法25条に基づく住民福祉の向上を使命とする地方自治と戦争法・集団的自衛権行使はまったく相容れないものです。いったん戦争に突入すれば、自治体の業務も施設も財産も戦争のために奉仕することが義務づけられることは、先の大戦の経験からも明らかです。仮に海外での武力行使にとどまっても、そのために必要となれば自治体は協力させられることとなります。
住民のいのちと安全を守り、福祉の充実を担う地方自治を擁護する立場からも、戦争法の廃止と安倍政権の打倒は不可欠であると言えます。
4.戦争法廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回、安倍政権打倒のための「19の日行動」と2000万筆署名
戦争法の廃止法案を成立させ、再び浮上しないようにするためには、2014年7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回させることが極めて重要です。この閣議決定が残っている限り、これに基づいて法案をいつでも提案することができます。この根を断ち切ることが違憲立法を二度と出させない条件です。そのためには安倍政権を打倒しなければなりません。戦争法廃止、閣議決定の撤回と安倍政権の打倒こそが私たちに求められている課題です。
そのためには安倍政権与党の議席を国会で少数に追い込むことが重要です。その鍵を握っているのが圧倒的な国民世論です。総がかり行動実行委員会はこのために2つの行動を提起しました。
ひとつは強行採決を自公政権が行った19日をメモリアルデーとして、毎月19日の行動を行うこと、もうひとつは「戦争法の廃止を求める統一署名」(以下、戦争法廃止統一署名)を全国で2000万筆を早急に集めきることです。自治労連は2016年夏の参議院選挙に向けて150万筆を集めることを提起しています。
戦争法廃止統一署名をなぜ2000万筆集めるというのでしょうか。それは、国政選挙における野党の得票を上回り、自民党・公明党の得票を上回る取り組みをすることによって、参議院選挙やいつ行われるかわからない総選挙で、今の安倍自公政権を打倒する力関係を作ることになるからです。2000万筆を集める運動と到達は、このための確実な世論づくりなのです。
毎月19日の行動は、戦争法廃止の国民的な闘いを継続することによって、安倍政権の矛盾をますます明らかにし、国民に戦争法廃止の大義を掲げて行動に立ち上がる機会を作るものです。
この取り組みは労働組合への結集と信頼をつくる取り組み、また次世代育成の取り組みと位置付け、若い組合員の広範な結集と成長を促し、未加入者の新規加入をあわせて追求することが重要です。
そして、これらの行動はすべての自治体労働組合、自治体労働者が一致して取り組むこれまでにない貴重な運動となります。私たち自身が職場・地域で力を集中して取り組むことで、地域の労働組合、地域住民を励ますとともに、東京の自治体労働者の大きな共同をつくることにもつながります。
5.2000万筆署名をやりきるために
参議院選挙を視野に入れて2000万署名を成功させるためには、春闘期の取り組みが重要になります。すべての職場からの参加を重視して取り組む2016年国民春闘では、民間賃金の引き上げや予算人員闘争とあわせて、戦争法廃止の取り組みの意義と重要性を十分に意思統一することが重要です。
立憲主義や民主主義否定の安倍暴走政権のあり方は、労働者・国民無視で国民生活を根底から破壊し、生活の改善を求める労働者の要求とはまったく相容れないものであり、どうしても打倒しなければならない内閣であることを明らかにして、2016年国民春闘の重点課題として取り組みます。
その上で、2000万筆署名を成功させるには、すべての組合員が立ち上がることをめざした取り組みが必要です。とりわけ若い組合員の行動を重視し、次世代育成に結実させるよう十分な援助をしながら職場から取り組みをすすめます。さらには憲法尊重擁護義務を負い、住民の命と安全を守る使命を負っている自治体労働者の良心に訴え、未加入者や管理職にも協力を求めて取り組むことが重要で、その意味では職場に働くすべての労働者を視野に入れた取り組みの構えを作ることが必要です。
執行部の構え、組合員の行動への参加を作る一番の鍵は学習です。戦争法についての学習を行い、確信を持って訴える力を身につけることが必要です。各単組の執行委員会で戦争法の危険性と憲法違反の中身について学習し、廃止に向けて何をどのように取り組むことが重要かについて十分に論議を重ねることが重要です。
その上で支部・分会・職場ですべての組合員を対象に学習をすすめ、具体的行動についての意思統一を行います。また役員をはじめ多くの署名牽引者を作ることも重要です。職場のすべての労働者にとどまらず、地域での取り組みを大きく展開するためにも職場組合員とともにすすめる意思統一が求められます。
6.具体的な取り組み
(1) | 戦争法廃止統一署名の目標とテンポ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1) | 目標 東京自治労連として27万筆を目標とします。なおこの目標は組合員あたりひとり10筆です。これをもとに各単組での目標を確立します。 *自治労連としての目標は150万筆、*憲法東京共同センターの目標は東京全体で100万筆 |
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2) | 署名のテンポ 東京自治労連全体では以下の目安で署名を集めます。 |
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以上