「戦争法案を廃案に」特別決議
安倍政権は、集団的自衛権行使や戦闘中の外国軍を支援する後方支援などを内容とする憲法違反の戦争法案(安全保障関連法)を、国民多数の反対の声に耳を傾けることなく、7月15日衆院安保特別委員会で、翌16日には衆院本会議で強行採決を行い、7月28日から参議院での審議が始まりました。
戦争法案は明確な憲法違反です。これまで40数年にわたり政府が積み上げてきた憲法解釈を180度変更し、法案を合憲と主張する政府に対し、憲法学者、歴代の内閣法制局長官らが「明確な憲法違反」「従来の政府見解とは相いれない」と国会で陳述し、自民党の元幹部・閣僚経験者さえ「最高法規の解釈を自由に変え得るなら法治国家としての根底が揺らぐ」などとして反対の声を上げています。
安倍首相自身が「国民の理解が進んでいないのも事実」と認めながら採決を急いだのは、日本国民の民意よりアメリカとの約束を優先させ、「60日ルール」を利用し衆議院での多数をもって強引に成立させようとしているからにほかならず、言論の府にあるまじき民主主義破壊の蛮行というしかありません。しかも、安倍政権はこの法案を成立させた後、来年夏以降の改憲を視野に入れています。日本を「戦争する国」につくり変えようとする違憲の法案は直ちに廃案にすべきです。
法案に反対する運動は、高校生や大学生、若者、労働者、ママ、宗教家等が思想信条に問わず自らの意志で集会やデモに参加し立ち上がっています。
東京自治労連は、6月1日の拡大中央執行委員会で「戦争法阻止・憲法闘争本部」を設置し、憲法闘争を「特別の任務」と位置付けて東京自治労連本部・単組一体で闘い抜くための意思統一と行動を行ってきました。第1回会議では、「考えてみよう日本国憲法」リーフ等を活用した@学習の強化A単組・局支部での職場決議の取り組みB各地域で共同を広げた宣伝行動の実施C「かがやけ憲法」署名の徹底集約を柱にした「6〜7月の取り組み」を確認しました。7月6日の第2回会議では、この間の取り組みの到達点を議論し、憲法や戦争法案についてさらなる学習の強化や、街頭での大規模かつ継続的な宣伝行動の実施を提起しました。これに基づいて各単組でも積極的な取組みを展開しています。
また、東京自治労連中央執行委員会が主体となった「憲法キャラバン推進本部」を立ち上げて、8月下旬から各区の訪問を開始します。地方自治破壊と地方へ介入の強まるもとで、当局と日本国憲法を踏まえた率直な意見交換を行い、憲法に立脚した自治体づくりへの一助になるよう取り組みを進めます。
「平和でなければ街づくりはできない」との自治体首長の声もあるように、住民のいのちとくらしを守ることを責務とする自治体・公務公共労働者にとって戦争法案は、全く相いれないことは明らかです。私たちは先の大戦で、住民を国の起こした戦争へと駆り立てた痛苦の反省から、「二度と赤紙・召集令状は配らない」をスローガンに、憲法を守り、いかす運動に取り組んできました。この立場から私たちは、戦争法案・「戦争する国づくり」を絶対に許すことはできません。
私たちは、日本国憲法を「尊重擁護」し、戦後70年にわたり平和を守ってきた憲法9条を守り、さらに発展させていきます。そのために、ただちに「戦争法案」を廃案とすることを求め、奮闘します。
以上、決議する。
2015年8月3日
東京自治労連「第3回 戦争法阻止・憲法闘争本部会議」