「緊急事態宣言」発令に対する東京自治労連見解
2020年4月8日
東京自治労連中央執行委員会
新型コロナウイルス感染の拡大がとどまるところを知らず、国も東京都も感染拡大防止に向けた活動自粛を打ち出してきました。政府による小中高校のいっせい休校、不要不急の外出の自粛、仕事を休んだ労働者、フリーランスへの休業補償などが示されました。
東京都においても3月25日に、「感染爆発(オーバーシュート)の重大局面」、27日には「感染爆発の重大な岐路」に立っているとして、平日の自宅での仕事、週末の不要不急の外出を控えるなどの要請を都民に対して行いました。さらに30日には夜のバーやナイトクラブなどへの出入りの自粛を呼びかけ、「今がまさに感染拡大を抑えられるかどうか重大な局面」としました。
そもそも消費税10%増税によってが景気の落ち込みが激しいもとで、自粛要請が相次ぐ中、多くの労働者、自営業者、フリーランス、芸術関係者など、多くの国民の経済活動が停止し、極めて深刻な事態となっています。さらには保健所や感染者受入の特定病院での長時間過密労働とあわせて入院ベッド数の不足の危機、学童保育所での深刻な人員不足と長時間労働、高齢者や引きこもりなどの方々の居場所がなくなる図書館業務の大幅縮小など、住民生活の多くの分野が深刻な事態に陥っています。
こうしたもとで、新型コロナウイルス感染症を改定新型インフルエンザ対策特別措置法が3月13日に成立し、4月7日には「緊急事態宣言」が発令されました。東京都は対象地域となっており、都知事として対処のための権限が与えられます。
小池都知事はすでに4月6日には都の対処方針の概要を明らかにしています。その主な内容は、「特に強く休止を要請」する施設、「基本的に休止を要請」する施設が明らかにされています。社会生活を維持する上で必要な交通機関や食料品店などの施設については「感染防止対策の協力を要請した上で、業務を継続」するとしています。
私たちは「緊急事態宣言」にもとづく感染拡大防止に協力するものですが、この発動によって私権の制限が伴う危険もあり、そうしたことのないような対応が求められます。
東京自治労連は都民の生命・健康、そして生活を守ることを東京都と国が最優先にした対応をとることを求めます。その対応の基本は憲法に規定された「基本的人権」、「個人の尊厳」を尊重することを大前提として具体化することです。それをふまえて国と都は国民・都民に対して、「緊急事態宣言」やその具体化についての理由や目的、内容について十分な説明を行うことを求めます。そして経済対策の第一に消費税を緊急に5%に引き下げることが必要です。さらに雇用の確保、営業停止による収入減を前提にしてすべての国民にとりあえずの一律補償を速やかに講ずるべきです。東京都は国に対して緊急一律補償の具体化を強く要求するとともに、東京都として独自の財政措置を一般に広く実施するべきです。同時に、各職場で今回の措置についての説明を住民に対して行えるよう、そのポイントの周知を行うこと、および職員のメンタルヘルスを含む健康管理の徹底を求めます。
さらに資本金10億円以上の大企業の内部留保は456兆円に及んでおり、これを活用して中小零細企業への支援に充てる方策について緊急に政策化するべきです。
東京自治労連は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて協力するとともに、住民のいのちとくらし・営業をまもり、職場で働く自治体労働者のいのちと健康をまもるために全力で奮闘するものです。
以上