地方公務員への国家公務員並賃下げ押しつけ反対のたたかい
2013年2月27日
東京自治労連中央執行委員会
はじめに
政府は憲法に違反して不当にも平均7.8%の賃下げを行った国家公務員と同水準の賃下げを、地方公務員に対しても押しつけようとしています。1月24日には閣議決定を行い、2月13日には総務省が全国総務部長会議で地方公務員賃金の賃下げを指示しました。この会議の中で副大臣は「今回の引き下げの要請は、地方の給与が高いからとか、財政状況の改善のためというものではなく、防災・減災をすすめることや地方の活性化を図るため、また、消費税増税に国民の理解を得るため、公務員が範を示すためのもの」と発言しています。さらに7.8%引き下げられた国家公務員賃金をラスパイレス100とし、その水準に地方公務員賃金を引き下げ、2013年7月から実施するように求めました。
東京自治労連はこの間、自治労連、および東京地評とも情報交換をしながら、この取り組みについて検討してきました。このもとで自治労連からは2月15日付で「不当な国家公務員賃下げの、地方への押しつけを許さないたたかいについて」の方針が提起されました。
東京自治労連はこれをふまえながら、東京地評・東京春闘共闘とも連携を取りながら、東京都、市区町村における国家公務員賃下げの地方押しつけを許さない闘いを以下の通り取り組むこととします。
T.自治労連としてのたたかいの方針、談話等について
自治労連としての闘いの方針、書記長談話、「2013年度地方財政対策における地方公務員給与削減等の問題点と対応について」、総務省・全国総務部長会議の概要は、別紙の通りです。
U.東京自治労連のたたかいについて
1.たたかいの基本目標
@ 不法不当な賃下げ攻撃を、職場の団結を基礎に、東京地評・東京春闘共闘と連携し、公務・民間労働者の連帯、住民との共同で阻止します。
A 3月段階での春闘交渉を強め、自治体当局に地方自治体の自主性を堅持し職員を守る姿勢に立たせ、国の乱暴な地方自治蹂躙、自治体での労使関係への介入を許さず、地方自治を発展させます。
B 自治体非正規雇用、公務公共関係労働者の賃金・労働条件を守り、要求実現をはかります。
C このたたかいを通じて、公務員バッシングの狙いを明らかにし、住民の理解と共同を広げます。
2.たたかいのかまえ
@ 職場での怒りを結集し、学習・宣伝、職場決起集会・オルグを重ね、管理職を含めた庁内世論と団結を基礎に、大衆行動・大衆交渉でたたかいます。
A 攻撃をはねかえす最大のたたかいは、積極要求を掲げた春闘交渉です。春闘期の2013年国民春闘要求提出行動をすべての単組で実施します。
B 正規職員に連動する非正規・自治体関連職場での影響など公務・公共関係労働者にとどまらず、労働者・国民全体に総合的にかけられた攻撃であり、公務・民間との共同、地域の共同を広げるため、地域総行動をはじめ地域春闘の取り組みを重視し、史上最大規模の3.14全国統一行動の成功など全力で取り組みます。
C 地方自治への蹂躙、労使自治破壊に対し、自治体首長や地方6団体などとの一致点を広げる取り組みを進めます。
D 参議院選挙を展望し、選挙目当て・国民無視の「アベノミクス」の現実をはじめ、さらなる新自由主義による構造改革推進で、労働者・国民の生活破壊を進める安倍政権の方針転換を求める世論を広げます。
3.たたかいの展開
自治労連の方針提起の具体化を以下の通り行います。
1)3月期の取り組み
3月は、国民春闘、地域春闘をたたかいながら、職場組合員との闘いの意思統一、地域の民間労働組合、民主団体との共通認識の形成、共同行動を重視します。
さらに一斉回答引出しの3・13、3・14全国統一行動、単組の春闘要求提出行動、職場懇談会・職場集会を成功させ、当局による賃下げ提案を許さない闘いをすすめます。
(1)東京自治労連本部の取り組み
都段階では東京自治労連として、東京地評・東京春闘共闘とも連携し、以下の取り組みをすすめます。
@東京都行政部(3月6日)、市長会・町村会(3月7日)へ要請行動を行います。
A都議会に向けた要請行動を東京地評・東京春闘共闘とともに実施し、国へ向けた賃下げ強要反対の意見書提出をめざします。
B東京都や特別区の人事委員会にたいし、第三者機関として賃金決定ルールを守る役割を果たすよう、東京地評・東京春闘共闘と要請を行います。
C東京地評・東京春闘共闘と共同で地方公務員賃金引き下げ阻止を含む春闘宣伝行動に取り組みます。
(2)単組の取り組み
@すべての単組で地方公務員賃金引き下げ阻止の内容を追加した2013年国民春闘要求の提出行動を実施し、当局に対し、春闘要求の正当性、賃金・労働条件改善の必要性、地方自治体の自主性を堅持し職員を守る基本的立場を明確にすることを追求します。
A3・13や3・14の全国統一行動に圧倒的な組合員の結集を追求し、職場集会を開催して自治労連の学習資材(機関紙版下2種、Q&A学習パンフ)を活用し、組合未加入者や管理職を含めた意思統一をすすめます。また組合員にとどまらず、管理職や未加入者も含めた「団結署名」(個人署名)を3月中に取り組みます。
B全労連公務部会が提起する「首相宛署名」(個人署名)を3月中旬以降4月末日までに取り組みます。
C3月から4月にかけて首長宛の「わたしのひとこと」運動に取り組み、単組機関紙での紹介、首長への要請行動での活用などで庁内世論を結集します。
D3・14の「くらし守る50万人総行動」の地域行動で、春闘勝利の宣伝とあわせて国公賃下げ中止・地公賃下げ阻止の宣伝行動を行います。その際、公務部会作成ビラ、自治労連が作成する宣伝スポット(メールで送付)を活用します。
E各市区議会議長宛の「政府の2013年度地方財政対策および地方公務員の給与等に関する意見書採択の要請」に取り組みます。その際条件が整えば地域労連、地域春闘共闘などと共同で取り組みます。すでに台東区議会では国に対して意見書を上げています。
2)4〜5月期の取り組み
各自治体とも国家公務員並み削減を7月から実施しようとする場合、6月議会への給与条例改定に向けた準備に入ります。4〜5月が自治体当局との具体的な闘争時期になると想定されます。
闘いと交渉の基本は、@あくまで労使決着が大前提であること、A退職手当の大幅削減とあわせて組合員に極めて大きな打撃であり認められないこと、B公務員の賃下げが外郭団体や委託事業所のみならず民間賃金にも影響すること、Cその結果地域経済に深刻な打撃をあたえ景気回復に逆行するものであること、D労働基本権制約のもとで賃金決定ルールを無視した地方自治破壊であること、E賃金削減による原資を大企業本位の大規模公共事業の安倍内閣の方針に自治体を巻き込む恐れがあること、などを明確にして、攻勢的な闘いを展開します。
(1)「先行」が予想される東京都や特別区の動向を視野に入れて、東京地評・東京春闘共闘、あるいは民主団体などと共同した要請行動を追求します。
(2)自治労連都庁職は都労連闘争において、東水労は対企業局闘争において、産別としての積極的な役割を果たします。具体的には自治労連が作成予定の「交渉論戦資料(財政措置やラスパイレスの問題点など)」を活用します。
(3)三多摩の自治体闘争については、東京都、特別区などの動きもふまえて追加方針を提起します。
(4)職場段階では、引き続き、4月については全労連公務部会の「首相宛署名」(個人署名)を取り組むとともに、5月以降は「公務員賃金改善」署名に切り替えます。
(5)地域での公務・民間の共同、住民共同を広げて取り組みます。
3)送付する資料
(1)今回送付する資料
@自治労連方針「不当な国家公務員賃下げの、地方への押しつけを許さないたたかいについて」
A自治労連書記長談話
B2013年度地方財政対策における地方公務員給与削減等の問題点と対応について
C市区議会議長宛「政府の2013年度地方財政対策および地方公務員の給与等に関する意見書採択の要請」例文、および意見書ひな形
D各労働組合、団体等への共同の申し入れ文書(ひな形)
E機関紙用版下2種類
F全国市長会の緊急アピール
G団結署名(個人署名)
H首長宛て「わたしのひとこと」カード(見本)
(2)すでに送った資料
@総務省・全国総務部長会議 概要(自治労連まとめ)
A全国総務部長会議(次第、資料1、2、3)
B資料5 平成25年度地方財政関係
C台東区議会意見書
(3)今後送付する資材
@宣伝スポット(メールで送付)はでき次第至急送ります
A自治労連の学習資材(Q&A学習パンフ)
B首相宛署名(個人署名)
C交渉論戦資料(財政措置やラスパイレスの問題点など)
D「公務員賃金改善署名」(個人署名)
他
以上