「労働時間等設定改善指針の一部改正」に基づく年休取得促進の取り組み方針
2010年6月2日
東京自治労連中央執行委員会
厚生労働省労働基準局長名で「労働時間等設定改善指針の一部改正について」が都道府県労働局長宛に通知され、4月1日から適用されました。ここでは、年次有給休暇の取得率の向上や、連続した休暇取得のための制度の導入を検討することなど、積極的な内容が示されています。閣議決定された「明日の安心と成長のための緊急経済対策」や以下に述べる総務省の通知をふまえて、年休取得の向上や連続した長期休暇の取得に向けて、当局への要求書の提出をはじめとした取り組みを以下の通り提起します。
1.年休取得促進を打ち出した「明日の安心と成長のための緊急経済対策」
「明日の安心と成長のための緊急経済対策」(2009年12月8日閣議決定)(以降、「緊急経済対策」という)において、年休取得促進へ向けて以下の2点が示されました。
その第一は「休暇取得促進に向けての政労使合意と取り組み」として「『雇用戦略対話』等を通じて、政労使の合意形成と取組を推進」することです。
第二に「休暇取得促進への支援措置(指針見直し等)」として、「労働時間等設定改善法に基づく『指針』を見直し、年次有給休暇を取得しやすい環境の整備に向けた関係者の取組の促進を図る」ことです。
2.「緊急経済対策」に基づいた取り組み
「緊急経済対策」にもとづく2つの取り組みは次のように具体化されました。
(1) | 「仕事と生活の調和推進のための行動計画」数値目標の設定 「休暇取得促進に向けての政労使合意と取り組み」に基づいて、「仕事と生活の調和推進のための行動指針」(以下、「行動指針」という)が決定され、この中で「労働時間等の課題について労使が話し合いの機会を設けている割合」「年次有給休暇取得率」など、14の数値目標が設定されました。 この数値目標の一部抜粋は以下の通りです。
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(2) | 「労働時間等設定改善指針」の改正 「休暇取得促進への支援措置(指針見直し等)」に基づいて、「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」第4条で示されている厚生労働大臣の定める必要な指針(以下「労働時間等設定改善指針」という。)が改正され、3月19日に公示されました。これに基づいて「労働時間等設定改善指針の一部改正について」が都道府県労働局長宛に通知されました。 その主な内容は次のとおりです。 |
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<年休取得について>
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3.公務職場での扱い
「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」は、その3条の2項で公務員等は適用除外とされていますが、「仕事と生活の調和推進のための行動計画」で示された数値目標は、企業、働く者、国民、国及び地方自治体の取組を推進するための社会全体の目標となっています。
つまり地方自治体も例外ではなく、今回改正された「労働時間等見直しガイドライン」に準じたとりくみが求められます。
現段階では「労働時間等見直しガイドライン」に相当する省令等は出されていませんが、国家公務員については2008年9月10日に「国家公務員の労働時間短縮対策について」を改正しています。この中では、「U 超過勤務縮減、年次休暇の計画的使用の促進のための環境整備」として、超過勤務縮減と年次休暇取得促進を記しています。ここで業務予定を早期に示して年次休暇の計画表を作成すること、具体的事例を挙げて連続休暇等を取得しやすい環境を整備することなど、「年次休暇の計画的使用の促進のための環境整備」を行うように指示しています。
総務省からも2009年4月28日付で「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を踏まえた地方公務員の勤務時間の縮減等について(通知)」(以下、「公務員課長通知」という)が総務省自治行政局公務員課長名で各都道府県、政令指定都市、各指定都市人事院会宛に出されています。
「公務員課長通知」の中では「国家公務員の労働時間短縮対策について」を示し、「これらの趣旨を十分ご理解の上、時間外勤務の縮減及び年次有給休暇の計画的使用の促進について」取り組むように要請しています。
4.各単組での取り組みについて
各単組において年次有給休暇の取得率の向上や連続休暇の取れる環境づくりなど、積極的に取り組みを展開することが大切です。また、労働安全衛生活動の課題として安全衛生委員会も活用することとします。
(1) | 労働組合としての取り組み
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(2) | 安全衛生委員会での実態の把握を行うとともに、年次有給休暇取得に向けた方策の検討を議題として取り組むことが大切です。 |
以上